顧客に、使ったことのない商品・サービスの価値を伝えるには?

マーケティングでは、「その人が使ったことがない商品・サービス」の価値を伝えることが求められます。よくある場面としては、新規顧客とのコミュニケーションや、新商品・新しい分野の商品を訴求する、などです。

そういった場面で、どのように価値を伝えるとよいのか?について考えてみます。

体験→価値を感じる、という構図

💡まずおさえておきたいのは、私たち生活者は商品・サービスを使用する体験を通じて、その商品・サービスの価値を感じている、という順序です。

「何を当たり前なことを」と思われるかもしれませんが、マーケティングにおいてこの順序が失念されていることが案外あるように感じます。例えば、潜在顧客に対するアンケートで以下のような聞き方をしている場合です。

  • まず、商品・サービスの特徴を説明する
  • その後に「この商品・サービスにどのくらいの価値を感じますか?」と聞く

アンケートの対象者は、聞かれているので「このくらいの価値だ」と答えてくれるはずです。しかしこれは、実際に体験していない商品・サービスの価値を想像しているに過ぎません。

商品・サービスの購入前に価値を想像することを「期待」と呼ぶと、新規顧客は以下の順序で商品・サービスの価値を感じるといえます。

  1. 商品・サービスの価値を期待
  2. 購入して体験
  3. 実際に価値を感じる

顧客が実際に感じる価値が期待以上であれば満足し、期待未満であれば不満を抱きます。

顧客への提供価値を高めることももちろん大切ですが、この記事ではマーケティング工程において、顧客にいかに期待してもらうのか?について考えていきます。

価値のわかりやすさで、商品・サービスを分類する

私たちは体験したことのない商品・サービスの価値を、過去の経験に照らして想像=期待します。

商品・サービスの特性によって、価値の想像(期待)のされ方が異なるので、それについて整理します。

💡価値の想像しやすさによって、商品・サービスを「探索財」「経験材」「信頼材」の3つに分ける考え方があります。

※それぞれの商品・サービスが3つに完全に分かれているというよりも、どの性格が強いかという傾向を表しているととらえてください。

—————————

探索材

購入する前に、品質や特徴を比較的簡単に調べられる(探索できる)ものです。

  • お店で手に取って見たり、webサイトで説明を見たりすることで、購入前にその価値をある程度想像できる
    • 有形の商品が多い
    • 具体例:家電製品、衣料品、文房具、日用品
  • 購入前の期待と、実際に体験した価値とのギャップを小さくしやすい

—————————

経験材

購入する前には、品質や特徴を十分に評価するのが難しいものです。

  • 実際に使用して経験することで、その価値が判断できる(好き/嫌い、便利/不便など)
    • 有形の商品、無形のサービスが混在
    • 具体例:食品、映画、旅行、ソフトウェア
  • 実際に体験した価値が、購入前の期待と大きく異なることが起こりやすい

—————————

信頼材

購入後も、品質や効果を完全に評価するのが難しいものです。

  • 顧客自身が効果を正確に判断することが難しいため、提供側の「信頼」が最も重要になる
    • 無形のサービスがほとんど
    • 具体例:医療サービス、保険、教育、コンサルティング
  • 購入前の期待と、実際に体験した価値を比較すること自体が難しい
  • サービス内容だけでなく、提供するスタッフとのやり取りといった体験全体での価値評価になりやすい

—————————

このように整理すると、「探索財」「経験材」「信頼材」によって、顧客に期待してもらうための打ち手が異なってきそうです。最後に、具体的な打ち手についてみてみましょう。

顧客に期待してもらうための、具体的な打ち手

ここでは、webサイト上でのコミュニケーションを想定した打ち手を考えます。

💡顧客の購入判断にファクトが大きくかかわるか?それとも知覚(パーセプション)が大きくかかわるか?について、「探索財」「経験材」「信頼材」ごとに異なります。

探索材の価値はファクトを通じて伝えやすいので、以下のような情報をわかりやすく整理してwebサイトで紹介するのが基本的な方針になります。

  • 商品のスペック、見た目
  • 商品ラインナップ、カテゴリ
  • 他商品との比較コンテンツ

一方、経験材・信頼材はファクトだけでは伝えきれない部分があり、顧客の知覚(パーセプション)も購入判断に大きく影響します

知覚(パーセプション)とは、大まかにいうと「心の中のイメージ」です。顧客がファクトだけでなく、感情的・主観的に商品・サービスをどう捉えているか?を表しています。

そのため、経験材・信頼材はファクトをしっかり紹介しつつも、以下のような知覚にかかわるコンテンツを充実させる方針を取るとよいでしょう。

  • 強いブランドの場合、ブランド訴求
  • ユーザーレビュー、体験談
  • 第三者の認証(例:○○ランキング1位、累計ユーザー○○万人)
  • 外部メディアで取り上げられた事例(PR事例)紹介
  • 顧客の「変化」や「成果」にフォーカスした事例紹介
  • 専門性が高いことを訴求(例:有名パティシエ、有名映画監督、有名講師)

 

以上、顧客が体験したことのない商品・サービスでも、価値を期待してもらうために、webサイトでどのようなコンテンツを用意すべきかを整理しました。お疲れ様でした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です