webサイトを運営していると、どのページが重要なのか?については、各ページの内容やページビュー数などからある程度把握できます。あるページを経由したコンバージョン(CV)の数も、GA4などで簡単に見られます。
これらのデータから「何人のユーザーが○○のページを通ってCVした」といったことはわかるのですが、「ユーザーが○○のページを見たことでCVしたのか?」の判別はつきません。ユーザーは、他ページの閲覧が決め手となってCVしたかもしれないからです。
さすがに「どのページが決め手となってCVしたのか?」はユーザーに聞いてみないとわからないのですが、GA4のデータを少しこねることで「どのページがCVに寄与しているのか?」の傾向はつかめますので、その方法であるアソシエーション分析をご紹介します。
具体的には、以下の疑問に答えられるような分析です。
- よく見られているページは、本当にCVに寄与しているのか?
- よく見られていないけれど、CVに寄与しているページはないか?
アソシエーション分析をwebサイトに応用する
アソシエーション分析とは、POSレジデータ・自社の購買データ・会員登録データなどを分析して、関係性を見出す手法です。
もともとは小売店舗の購買データの分析のために開発された手法で、膨大な蓄積データの中から「売れ筋はどれか」「併売されるのは何か」などを見出すために開発されました。
この手法で、例えば「おむつとビールは一緒に買われる」という一見すると意外な関係性が見出されました。
※以下の記事では「バスケット解析」と書かれていますが、アソシエーション分析の応用例のひとつとご理解ください。
おむつとビールはセットで買われる? データマイニングの手法の一つである「バスケット解析」とは
上記の「おむつとビールは一緒に買われる」というのは、「商品Aと商品Bが一緒に買われやすい、という関係性がわかった」ということです。
これを以下のように置き換えると、webサイトでの分析ができます。
- 商品A → CV
- 商品B → あるページの閲覧
- 商品Aと商品Bが一緒に買われやすい → あるページが閲覧されていると、CVしやすい
アソシエーション分析では、リフト値、支持度、信頼度という3つの指標を用いて、各ページを相対比較します。
GA4のデータからわりと簡単に計算できますので、具体的な出し方をみていきましょう。
リフト値、支持度、信頼度の具体的な出し方
GA4では「探索」機能でファネルデータ探索を選択し、各指標を算出するためのデータを出します。ファネルデータ探索の使い方については、さまざまな参考サイトがあります。
ファネルデータ探索では、以下の3ステップを設定しましょう。
- ステップ1:webサイト訪問 → ”session_start”イベントを指定
- 「webサイト全体のユーザー数」がわかります。
- ステップ2:ページ閲覧 → 分析したい1ページのURLあるいはパスを指定
- 「あるページの閲覧ユーザー数」がわかります。
- ステップ3:CV → 購入、資料請求、問合せなどのイベントを指定
- 「あるページを経由したCV数」がわかります。
これで1ページずつのデータを出せますので、すこし手間ですが分析したいページの分だけ、ステップ2のURLあるいはパスの指定を変えてデータを出しましょう。
また、「webサイト全体のCV数」のデータも出しておきます。
💡上記のデータを用いて、ページごとのリフト値、支持度、信頼度を算出します。(リフト値算出のために、閲覧率も計算します)
リフト値 = 信頼度 ÷ 閲覧率
信頼度(%) = あるページ経由のCV数 ÷ webサイト全体CV数
閲覧率(%) = あるページの閲覧ユーザー数 ÷ webサイト全体ユーザー数
支持度(%) = あるページ経由のCV数 ÷ webサイト全体ユーザー数
では、各指標について詳しくみていきましょう。
リフト値:CVへの寄与度
冒頭に挙げた以下の疑問に直接答えているもので、3つの指標の中で最も重要です。
- よく見られているページは、本当にCVに寄与しているのか?
- よく見られていないけれど、CVに寄与しているページはないか?
webサイト内での、各ページの実力が数値化されるというイメージです。
閲覧率が高いページは、それに応じて信頼度が高くないとリフト値が小さくなります。
反対に、閲覧率が低いわりに信頼度が高いページは、リフト値が大きくなります。
例:
- 信頼度20%、閲覧率10%のページ → リフト値:2.0※
- 信頼度5%、閲覧率1%のページ → リフト値:5.0
※アソシエーション分析では、リフト値1.0以上を基準として「関連性あり」と判定します。ただしwebサイトでは、主要ページの多くが1.0を超えるため、この値を基準にせず相対比較するのがおすすめです。
信頼度:経由CV率
式の通りで、全体CV数に対する、あるページ経由CV数の割合です。
例えば、webサイト全体のCV数が1,000であり、ページAを経由したCV数が500である場合、ページAの信頼度は50%になります。
信頼度が高いほど、CVしたユーザーにとってそのページが重要である可能性がありますが、webサイト分析では参考程度の指標です。リフト値算出のために出しているという面もあります。
支持度:全体CVへのインパクト
リフト値ではわからない、影響の大きさ(多くのCVに影響するページか?)を把握できる重要な指標です。
支持度が高いほど、「あるページを経由したCV数」が多いことを表します。
大まかには「あるページ経由のCVR」という理解で大丈夫です。あるページの支持度は、webサイト全体のCVRよりも小さい値になります。
例えば、webサイト全体のCVRが0.5%であり、ページAを経由したCV数が全体CV数の50%を占めている場合、ページAの支持度は0.25%になります。
webサイト改善に、どのように活用するのか?
各ページの指標をひと通り算出した後は、例えば以下のようにまとめて、ページ間での相対比較をして「どのページがCVに寄与しているのか?」の傾向をつかみます。
具体的には、以下の4パターンにわけることで、webサイト改善でするべきことが見えてきます。
基本的には①、②の改善を並行して実施しつつ、適宜③も改善するのがよいでしょう。
①リフト値も支持度も高い(優先度:★★★★★)
【施策】“主要ページ”と位置付け、細かな改善を継続する
よく閲覧されていて、かつCV寄与度も高いページであるため、主要ページ群として定期的に改善サイクルを回します。
もし商品ページ、資料請求ページ、お問合せページなどCVに関連するページがこれにあたらない場合は、細かな改善ではなく、サイト構造や導線を大幅に見直しましょう。
②リフト値が高く、支持度は低い(優先度:★★★★)
【施策】“隠れた実力者のページ”と位置付け、他ページからの導線を拡充する
あまり閲覧されないが、CV寄与度が高いページです。
そのページの情報がとても役立つが、あまり導線がなく見つかりづらい状態になっている可能性があります。ただし、限られたユーザーにしか役立たないページである場合もあるので、見極めが必要です。
③リフト値が低く、支持度が高い(優先度:★★~★★★)
【施策】”ポテンシャルあるページ”と位置付け、ページ内容を大幅に見直す
よく閲覧されているが、CV寄与度は低いページであり、リフト値が上がればCV数を大きく増やせそうです。
ページタイトルや見出しがユーザーニーズに合致しているが、内容が期待と異なっている可能性があります。その場合、内容を見直すことでリフト値を向上できる余地があります。
ただし、①②ほど改善の確度が高くないので、どの程度の時間・手間をかけるかをしっかり考えて取り組むとよいでしょう。
④リフト値が低く、支持度も低い(優先度:★)
【施策】改善の優先度を下げる
あまり閲覧されておらず、CV寄与度も低いページであるため、最低限の管理にとどめ、1~3の改善を優先するほうが合理的です。
以上のように、各ページの状態を把握することで改善施策を効率的に実施できます。
「あれこれ施策やってみたけど成果がついてこない…」というしんどい状況を避けられるのが、何よりもうれしい点かなと思います。
以上、アソシエーション分析をwebサイトに応用して、効率的に改善施策を行っていきましょうという提案でした。お疲れ様でした。
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