マーケティングをやっていると、「PDCAを回せ」なんて100回ぐらい言われると思います。そもそもPDCAとは…
- Plan: 仮説を立てる
- Do: 施策を実施する
- Check: 仮説を検証する
- Action: 改善する
の各工程をしっかり踏むことで施策をやりっぱなしにせず改善していける、ということです。まあ、言われなくてもそうすべきでしょうと言う話ですね。
ただ、言うは易く行うは難しです。何が難しいかというと、結局仮説立てが一番難しいと思います。実施する施策(Do)の質も、仮説を検証(Check)して次につなげる(Action)ことができるかも、すべては仮説(Plan)次第です。入口が間違っていたら出口は見つかりません。
そこで、私なりに、いかに良い仮説を立てられるか?について考えました。
仮説立ての方法について、大きく3つあるかなと考えています。
- これまでの知識や経験から導き出す
- 外部から学んで、取り入れる
- 仮説のハードルを下げ、小さく試しまくる
これらの方法のどれがよいとかではなく、必ず重複していきます。むしろ、積極的に併用していくことでいろいろな仮説が立てられるという感じです。
1. これまでの知識や経験から導き出す
基本はこの方法です。仮説とはアイデアであり、アイデアとは「思いつこう!」と考え込んで思いつくものではありません。そのため、知識(主にドメイン知識)や経験を自分の中に蓄えていくことで、ふとしたときに仮説を思いつくようにするのが理想的な状態です。
ちなみにアイデアについての話は『アイデアのつくり方』(ジェームス・W・ヤング 著)に詳しく載っています。この本、めちゃくちゃおすすめです!
話を戻しますが、仮説を思いつける状態になるまでには当然時間がかかります。私の場合は、今の会社に転職してからマーケティングに携わっており、転職してから半年経ってやっと、仮説を立てられるようになってきました。入社して3ヶ月はオンボーディング中心で、それ以降で知りたい情報を計測し始めて3ヶ月経っていろいろ見えてきた…という感じでした。
仮説を思いつく状態になってからはPDCAを回していけます。その過程で新たな知見を得たり、経験が深まったりと、さらに仮説を思いつきやすくなります。しかも、仮説の精度も上がります。こういった「積み上げていく感覚」がめちゃくちゃ楽しいなーと思っています。
2. 外部から学んで、取り入れる
1の方法は、ドメイン知識やその業界での経験を蓄えることで質・量ともに上がっていきます。しかし一方で、業界での常識に染まったり、商品・サービスの売り手としての視点にとらわれたりすると良くありません。新しい視点を意識的に取り入れないと、偏った仮説しか思いつかず「何をやっても一緒」状態に陥ります。
そこで、外部から学ぶことで変化を加えられます。セミナーに参加するでも、他業界との交流会に参加するでも、本を読んでみるでも、何でもいいです。なんとなく頭打ちだなぁと感じたときに(できればその前に)、外から刺激を得るのは有効だと思います。
この方法の良いところは、これまで自社で行ってきた施策をテコ入れできるところです。例えば、本や動画やセミナーからマーケティング知識を得ると、これまでの施策について「〇〇の観点では見たことなかった!」といった発見があるかもしれません。あるいは、他業界のマーケティング担当者と交流することで、「そんなやり方もあるのか!」という発見があるかもしれません。
私の場合は、他業界のマーケティング担当者の方が、チームメンバーに積極的に権限委譲することで施策実施のスピードを上げている話を伺って、すぐに自チームにも取り入れました。鵜呑みにして取り入れたのではなく、その当時チームでの施策実施のスピードがないことに課題感があったため、合いそうだと感じて取り入れたという経緯があります。実際、チームメンバーに「ここまでは好きにやっていいし、ある程度の失敗も織り込み済みですよ」と伝えることで複数の施策を並行して実施できるようになり、スピードは格段に上がりました。
3. 仮説のハードルを下げ、小さく試しまくる
この方法は日常的に行うというよりは、1ヶ月など期限を切ったプロジェクトとして進めるのがいいと思います。
これも2と同様で、1の方法だけだと施策が偏ったり視野が限定されたりするので、それを打破するための方法です。1の方法を続けると仮説の精度が上がっていきますが、これを悪く言うと、ハードルが上がっていくということです。いろいろと仮説を出せて施策を試せる段階は良いのですが、どこかで頭打ちになります。頭打ち感が出てきたときのカンフル剤として、「雑に色々やってみよう!」とプロジェクトを実施するイメージです。
仮説と呼べないぐらいの「こんなんじゃないかなー」というアイデアを、失敗してもいいから手当たり次第にやってみるという感じです。自分が責任者なら責任を負えばいいですし、そうでないなら責任者と話して、失敗する可能性を織り込んでおけばよいです。
ポイントは、「施策の数を目標として立てておく」ことです。例えば1ヶ月で50施策打つと決めておいて、打率2割だとしたら10施策は良いものが残るわけです。そして、仮に40/50が失敗だったとしても、その施策は良くなかったという発見は得られるので、必要経費と考えてもよいでしょう。ちなみに私の場合は、上司に「2割めざします」と伝えたら、「やるなら3割バッターめざしましょう」と言われました笑。結果は2割台後半だったのでかなり収穫があり、私は面子を保てましたし上司も「ええやん」とニッコリでした。
以上、仮説立ての方法についてまとめてみました。本日もお疲れさまでした。
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