データ分析がなぜ必要なのか?という問いに対して、いろいろな説明はできると思います。しかし、この記事ではそういうのは⼀切すっ⾶ばして、「なんかできたほうがよさそう」というモチベーションでデータ分析を始めたい⼈向けに、結局何をすればいいのか?について解説します。
まずはデータ分析をしてみて、下記のようなサイクルが回ると、分析というものが身近になるのかなと思います。
データ分析って誰にでもできるの?
数字が苦⼿、専⾨的な知識がないという⼈にも、データ分析はできます。そもそも、仕事にデータ分析を活かすには、⾼度な分析スキルよりも
- 現場の「知識」や「経験」
- 分析結果を「説明する⼒」
のほうが役に⽴つ場合が多いです。算数レベルの知識+Excelで割とどうにかなります。
プログラミングやAIを活⽤するイメージがあるかもしれませんが、現在のところデータ分析には⼈間のほうが圧倒的に向いています。なぜなら、上述の「知識」や「経験」、「説明する⼒」のほうが重要だからです。
プログラミングが必要になるのは、excelで処理しきれないビッグデータを扱うときや、分析の⾃動化・仕組み化を⾏うときが多いはずです。AIは、現時点ではプログラミングの際の補助や教師役として使うにはとても便利ですが、「このデータをこの観点で分析して」などと分析をまかせるのは難しいです。
(厳密にいうと「できる」のですが、そのためのプロンプト開発のほうが⼤変だと思います。)
分析の⼿順と、敷居が⾼いと感じる原因
データ分析の⼿順は以下の通りです。
- 分析の⽬的を確認する
- 分析をする
- 施策を考え・実⾏する
- 結果を検証する
実は、データを参照したり加⼯したりするのは、2のところだけです。
webサイト関連では、「とりあえずGoogle Analytics(ポピュラーな計測ツール)をみてみよう」がそれに当たります。
⽬的がはっきりしないままにデータをあれこれ⾒ていても、ユーザー数やCV数、どのページがよく⾒られているか、くらいのことしかわかりません。まずはやってみる、という精神は素晴らしいと思いますが、それだけに⼤変もったいないことになります。
データ分析にあたっては「1. 分析の⽬的を確認する」が何よりも重要です。これができればデータ分析の9割⽅は終わっているといえます。2~4はただの作業だったりします。
では、実際の⼿順を⾒ていきましょう。
1. 分析の⽬的を確認する
⽬的というと何か明確なもの、ハッキリしているものに思えますが、とっかかりは理想のようなものでOKです。
例えばあるwebサイトの担当者が、「⼀⼈ひとりのユーザーに対して、最適な情報を提供してCV※数を最⼤化したい」という理想を掲げるとします。この理想に近づくために何が必要なのかを考えて分解し、その中から⽬的を決めればよいのです。
※CV(コンバージョン)とは、商品購⼊やメアド登録、資料請求、イベント申込などwebサイト上でユーザーにしてもらいたいアクションのことを指します
例えば、「⼀⼈ひとりのユーザーに対して、最適な情報を提供してCV数を最⼤化したい」にはどのような仮説が含まれているでしょうか?
ここがデータ分析の⼯程で最も頭を使うところであって、この仮説の精度次第で、データ分析の成否が決まるといっても過⾔ではありません。
深く考えていくと、以下のような仮説が含まれていそうです。
- ユーザーによっては、求めている情報にwebサイト内でたどり着けていないのではないか?
- ユーザーによって、webサイト内で求めている情報にはバラツキがあるのではないか?
- ユーザーは、webサイト内で求めている情報をひと通り⾒れば、CVしやすいのではないか?
- ユーザーの属性やwebサイトの閲覧状況から、どのような情報をどのタイミングで提供するべきかを判断できるのではないか?
- ⼀⼈ひとりのユーザーの⾏動を⾒ていくと、「CVしそうな⼈」とそうでない⼈の⾒分けがつくのではないか?
- 「CVしそうな⼈」の背中押しをするように情報提供するほうが、そうでない⼈に情報提供するよりもCVにつながるのではないか?
このように様々な仮説が出てきます。どういった切り⼝で考えられるかは、現場の「知識」や「経験」次第ですので、まずはドメイン知識をしっかり押さえておくことが重要です。
そして、次は検証したい仮説を定めます。これが「⽬的」となります。
仮説の選定基準は、その仮説の真偽によって理想の実現にどれだけ影響するのかです。
続きは、次回②の記事に書きたいと思います。今回は、データ分析の手順の1つめ「分析の目的を確認する」が重要という話でした。お疲れ様でした。
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